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第8夜 「わたしはね、見えるのよ!!」 [華麗なる酔っぱらい]

 
今回のお客様は、50代半ばの女性

そんなに酔ってるようには見えないが、居酒屋から午前1時ごろ代行スタート!!



わたくし「お客様、おかえりはどちらまでですか?」

お客さん「あの世・・・」

わたくし「・・・・・」(この手のブラックジョークには1拍おくのがよい)

わたくし「まだまだ早いですよ、あと100年がんばりましょ」(切り返しも忘れない)

お客さん「100年は無理よ、○○までお願いします」



初対面で初めての会話では、マジかギャグかわからないので怖い!!

その後は普通の会話をしていたのだが、帰路も半ばをすぎたころ突然



お客さん「わたしはね、小さいころから霊感が強く、見えるのよ!!」

お客さん「あなたの右肩にね、ぼんやりと・・・」

わたくし「アマガエルですか」(以前に言われたことがある)

お客さん「ばかなこと言わないの!!あなた最近、身近な人が亡くなった?」
    (前半の一言で、ギャグ路線が完全に途絶える、マジな話がしたいらしい)

わたくし「うーーーーん、どうだろう」(完全にだれもいない、みな元気に生きている)

お客さん「お友達でもいいのよ、会社の人とか?」



ここで会話を止めるといけないと思い、とっさに架空の友人が一年前に亡くなったことにして

会話を続けることにした



わたくし「そういえば、長く合ってない友人が一年前になくなりました。」

お客さん「やっぱり、男、女どっち?」

わたくし「?????」(見えてるんじゃないんか~い)

わたくし「お、男です」

お客さん「名前は?」

わたくし「?????」(ぜんぶ聞くんか~い)

わたくし「西村君(架空の人物)です」

お客さん「やっぱり、西村って名乗ってるわ」

わたくし「?????」(会話もできるんか~い)



わたくし、この時点で笑わないように必死でした

誘導尋問ですらなく直接聞くという新手のやり方に度肝をぬかれました

太股をつねりながらがんばって運転をつづけましたが、実際肩は震えていたと思う(もちろんおかしくて)

幸い、お客さんは運転席の後ろのシートに座っていたのでばれてはいないと思う・・・


するとお客さんちょっと失礼と言い、わたくしの頭をポンポン叩き始めました(木魚を叩くようなリズムで)



お客さん「あなた、結婚してる?」

わたくし「いえ、まだです」

お客さん「西村君が早く結婚しなさいと言ってるわ」(よけいなお世話である)

わたくし「はい」

お客さん「あなた、どこか体で悪いとこある?」

わたくし「特にないです」

お客さん「西村君が特に心配はいらないって」(はぁ?)

お客さん「あなた、彼女いる?」

わたくし「い、いません」

お客さん「西村君がすぐにできるから心配しないでって言ってるわ」(へぇ~)



ずーとこの調子である

そのうち高価な壷や数珠でも買わされるのかしらん?と思っていたら無事ご自宅に到着

車庫入れも終わり、お会計になった時である、いきなり



お客さん「いつもなら3千円で見てるのだけど今日は特別タダにしてあげる」
    (もしかして、代行料金を安くするためにやったのか??なんていやらしい)

わたくし「ありがとうございます!!2300円になります!!」
    (いたさ爆発的な感じでお礼を言い、正規の料金を要求)



〝ちょっとなにこの子〟的な感じでしぶしぶ料金を払っていただきました

きっとお客さん、黄色い髪のおじさんや、着物着た胡散臭い太っちょのような人たちが好きなのだろう・・・

エンターテイメントとして見るのはいいがマジトーンはちょっと・・・




なかなか面白い体験でした、世の中にはいろんな人がいますね



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